雁喰い豆とイカの炒め煮

雁喰い豆とイカの炒め煮

豆・豆料理探検家の「豆なレシピ」 Vol.75(2014年12月掲載)

高倉健さんがお亡くなりになられました。日本人それぞれの心に、それぞれの健さんがよみがえってくることと思います。私にとって印象深い健さんは、映画「ホタル」の中で、田中裕子さんと共に雪景色の中で鶴を真似て羽を広げるシーン。「二人でひとつの命じゃろうが、違うんか」と妻をいたわる台詞も忘れられません。
この度は「高倉健さんと飲むなら‥‥」と考えて作った料理です。サブタイトルを「追悼・高倉ブラック」と呼ぶことにします。

雁喰豆はまたの名を黒平豆、宮城では「ひし豆」とも呼ばれていて、お正月用にも使う縁起の良い豆だそうです。ここでは、沖のカモメとぬる燗に合いそうな食材として、イカを選びました。イカと豆だけではバラけるので、玉ネギをつなぎに使います。
材料を炒めたら日本酒で蒸し煮にして魚醤で味付け、青みはパセリやみつばなどではなくネギで。だって、高倉健さんと飲むのですから‥‥。あとは、これに塩とイリコがあれば完璧かな‥‥。

レシピ担当/五木のどか

豆・豆料理探検家。豆・豆料理アドバイザー。福岡県生まれ、京都市在住。豆の生産者や料理人、飲食店、販売店を訪ね歩き、話しを聞くことを楽しみとする。「一豆三味」を提唱し、豆料理の楽しさを伝えている。「豆なブログ」執筆中。

材料(3~4人分)

雁喰い豆(黒平豆) 1/2カップ
玉ネギ 1/2個
イカ 1パイ
小ネギ 6本
日本酒 大さじ1
なたね油 小さじ1~
少々
魚醤 小さじ1~
タカノツメ 輪切りを適量

作り方

1

雁喰い豆は水に浸し、半日~1晩おいて水煮にする。もどした水は紫~黒くなるので、豆を黒く煮上げるため、そのまま使う。

2

黒い豆を煮るとき鉄釘を使う替わりに、鉄鍋で煮る(なければ普通の鍋でOK)。鍋を中火にかけ、煮たってきたらアクをとり弱火にして40~50分煮る。途中で湯が減ってきたら差し湯をし、アクも丁寧にすくう。

3

イカはきれいに洗って表面の薄皮をはぎ、ワタを掃除して1cm幅の輪切りにする。日本酒をふりかけて、置いておく。

4

玉ネギは1~2ミリ幅にスライスし、小ネギは1~1.5cm長さにカットする。

5

別の鍋に油を引き、玉ネギを炒める。軽く火が通ったら湯切りした雁喰い豆を加えて炒める。

6

程よいタイミングでイカの輪切りを加えて炒め、タカノツメと魚醤も加えたら鍋に蓋をして蒸し煮にする。

7

仕上げにネギを入れ、火を止めて軽く混ぜたら出来上り。

ひとくちメモ

  • できてすぐ温かいうちにいただくのもおいしいのですが、蒸し煮で出る煮汁に豆を浸して少し時間をおいて食すと、豆が味を吸って更においしくなります。
  • 豆の食感が固めなのが苦手な方は、最初に茹でる時間を長くして調整してください。煮くずれしにくい豆なので、途中で固さをみながら長めに煮てください。

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